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ルイ・コスタ を語る③

ルイ・コスタの武器といえば、なんといってもパスです。FWの利き足にピタッと合わせるスルーパスはまるで魔法のようで、ボールはまるで意思を持った生き物のようでした。それだけではありません。

一瞬の隙をついて2~3人をかわすドリブル、相手を惹きつけて時間を作るキープ力、決定的なラストパス、そして自ら試合を決める得点を取るようになった彼につけられた新たな異名は「世界最高のファンタジスタ」

攻撃における一連の流れは見るものを虜にする芸術でした。

彼の円熟期を強豪クラブは放っておくわけはありません。しかし、フィオレンティーナのサポーターのために最後まで残留を望む、義理堅い愛情のある人間でした。

しかしフィオレンティーナの財政難により、移籍を余儀なくされます。ルイ・コスタは一番高い移籍金(当時の移籍金最高額約4400万ユーロ)を提示したミランに移籍することで、フィオレンティーナを救い、サポーターに別れを告げました。

そして、ミランでの苦難と栄光の日々が始まるのです。

移籍当初は、新しい環境に適応することに時間がかかり、怪我にも悩まされていました。

思うようなシーズンにはならずとも、その能力の高さは折り紙付き。

 

世界トップクラスのFWたちが集まる強豪クラブです。さまざまな個性をつかむのに時間がかかるのは当然のことですが、ルイ・コスタのパスは世界クラスのFWすら新たな次元に連れて行ってしまいました。

 

ミラン時代にコンビを組んだ アンドリー・シェフチェンコ。彼はウクライナの矢と呼ばれ、国の英雄でした。爆発的なスピードと決定力・無尽蔵のスタミナ・バネのある身体能力といった具合に、とてつもないFWでした。

「ルイは世界最高のパサー。私の多くの得点は彼のパスのおかげだ。」

シェフチェンコがメディアに対して言った言葉です。

ルイ・コスタがもてばスペースに走ればいい。そんな次元だったと言います。

 

「私はゴールすることより、アシストが自分の仕事だと思っているし、喜びなんだ」

天性のトップ下はこんな言葉を残しているのです。

自分が輝くことより、周りが輝くことに活きるのを望む選手。それがルイ・コスタなのかもしれません。