2年目のシーズンを躍動したルイ・コスタですが、イタリアの激しいコンタクトサッカー
を長年経験し、ついに30歳を迎えます。
2003年、ミランで3シーズン目
ブラジルのンパウロから新たな新星 カカ が移籍してきました。
ポジションは同じトップ下ですが、彼の特性は加速力、スピードに乗せると止められないドリブル、広いシュートレンジと決定力と当時21歳とは思えぬとてつもない才能と潜在能力を秘めていました。
すぐさまミランで結果を出したホープに、ルイ・コスタはポジションを奪われベンチへと追いやられます。
2シーズン目とは打って変わって出場機会が減ってしまい、思うような結果を残せないでいましたが、ルイ・コスタの人間性は変わりませんでした。
ベンチにいても必ず出番があると信じてトレーニングをし、今まで未経験だったボランチというポジションを与えられても不満を言わず、あくまでプロのサッカー選手としての姿勢をクラブの一員として全うしていきました。華麗なプレースタイルですが、クラブのために闘う姿勢はミランの選手に素晴らしいお手本としても存在感を示していました。
とても有名な話ですが、まだ若いカカがさらなる成功するようにアドバイスをしていたルイ・コスタ。
カカは言います。
「僕がうまくいかず苦しい時、困ったとき、ルイ・コスタはどんなときも助けてくれた。僕と彼は先生と生徒の関係だったんだ」
ルイ・コスタは
「サッカー選手である以上は試合に出たい。もちろん移籍も考えたが、ミランというクラブで多くのタイトルをチームメイトと獲ることを目標にしている。カカは若く、素晴らしい才能を持った選手なんだ。ポジションを奪われたと言われるが否定しないよ。でも恥じてはいない。カカは今後、必ずバロンドールを獲る偉大な選手なんだ。そんな選手とサッカーができて幸せだよ」
年齢差を考えるとなかなか言えることではありませんよね。
2人の豊かな人間性が伺えます。
試合前のウォームアップ中、ルイ・コスタの話を真剣に聞くカカの姿や
談笑する姿がうつされていました。お互いの関係の良さがうかがえる一幕。
そして、みるみる自信をつけたカカは、右肩上がりに結果を残し、
ルイ・コスタの予言どおり
バロンドールに輝くのでした。