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ルイ・コスタ 語る⑥

ミランの在籍期間では、念願のスクデット・チャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた

ルイ・コスタでしたが、イタリアに別れを告げるときがやってきます。

 

「キャリアの最期は必ずベンフィカで。」これは、ルイ・コスタ自身の望んでいたことでした。

ミランとの契約は残っていましたが、ベンフィカからのオファーが舞い込みます。他にも移籍の噂、オファーはあったようですが…

最後のクラブに選んだのは、母国のベンフィカでした。

 

復帰初戦は、チャンピオンズリーグの出場権を争う闘いでした。ポルトガルの名門に英雄とよばれる10番が帰還し、ホームスタジアムは歓喜におおわれ、ボルテージは最高潮でした。

対FKアウストリア・ウィーン戦

期待が渦巻く中、ルイ・コスタは強烈なミドルシュートで先制点を叩き込みます。

彼の嗅覚と感性が右足を振らせたのでしょうか。地を這うようなボールはゴールマウスの

左隅に突き刺さりました。

スタジアムは地響きとともに、サポーターはこの日一番の大歓声をあげるのでした。

「魔法が戻った!」と国中の紙面がたたえましたが・・・

右足太ももの筋肉を傷めていました。

しかし、期待に応えようとする男はその2週間後の国内リーグ戦に強行出場します。

これが致命的でした…

 

それでも、リハビリをしながら試合に出ることをあきらめず、試合に出ればサポーターの期待に応えていました。

多くの時間をリハビリに費やし、シーズンを終えます。

 

2年目、「僕のラストシーズンになるだろう」そう言って開幕すると

怪我をしていたのがウソのように、チャンピオンズリーグのコペンハーゲン戦で2ゴールを決めてみせます。

リーグ開幕4試合で2ゴールを決める活躍ぶりで、サポーターはおおいに沸きました。

 

しかし、不運にもシーズン中に監督交代が2回もあったことで、チームは失速。

 

そんな苦境でも、情熱をもってルイ・コスタはベンフィカで闘い続けました。