ミランの在籍期間では、念願のスクデット・チャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた
ルイ・コスタでしたが、イタリアに別れを告げるときがやってきます。
「キャリアの最期は必ずベンフィカで。」これは、ルイ・コスタ自身の望んでいたことでした。
ミランとの契約は残っていましたが、ベンフィカからのオファーが舞い込みます。他にも移籍の噂、オファーはあったようですが…
最後のクラブに選んだのは、母国のベンフィカでした。
復帰初戦は、チャンピオンズリーグの出場権を争う闘いでした。ポルトガルの名門に英雄とよばれる10番が帰還し、ホームスタジアムは歓喜におおわれ、ボルテージは最高潮でした。
対FKアウストリア・ウィーン戦
期待が渦巻く中、ルイ・コスタは強烈なミドルシュートで先制点を叩き込みます。
彼の嗅覚と感性が右足を振らせたのでしょうか。地を這うようなボールはゴールマウスの
左隅に突き刺さりました。
スタジアムは地響きとともに、サポーターはこの日一番の大歓声をあげるのでした。
「魔法が戻った!」と国中の紙面がたたえましたが・・・
右足太ももの筋肉を傷めていました。
しかし、期待に応えようとする男はその2週間後の国内リーグ戦に強行出場します。
これが致命的でした…
それでも、リハビリをしながら試合に出ることをあきらめず、試合に出ればサポーターの期待に応えていました。
多くの時間をリハビリに費やし、シーズンを終えます。
2年目、「僕のラストシーズンになるだろう」そう言って開幕すると
怪我をしていたのがウソのように、チャンピオンズリーグのコペンハーゲン戦で2ゴールを決めてみせます。
リーグ開幕4試合で2ゴールを決める活躍ぶりで、サポーターはおおいに沸きました。
しかし、不運にもシーズン中に監督交代が2回もあったことで、チームは失速。
そんな苦境でも、情熱をもってルイ・コスタはベンフィカで闘い続けました。