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認知症とはなんでしょう ②

さて、早速なのですが

もし、自分の両親が認知症になったら…あなたはどうしますか?

 

今からお話する内容から想像してみてください。

これは実際にあった相談をもとにしています。

相談者は男性のAさん 自営業をされています。

 

Aさんは結婚して、妻・子どもの3人で暮らしていました。

家を購入したのをきっかけに1人暮らしをしていた実母を新居に迎え、

同居することになりました。

実母は、主人に先立たれてさみしい生活をしていました。思い出のつまった家を売り、

3年ほど賃貸生活をしていました。息子のAさんからの申し出はありがたいことでしたが

気を使う上、住み慣れた賃貸から離れることが苦痛で同居を拒んていたそうです。

Aさんは心配だからと強引に実母を新居に迎え入れ、実母の部屋も用意し、一緒に生活をはじめました。

同居をして2か月がたったころ…

実母に変化がではじめたのでした。

 

ここからはAさんになったつもりで想像してくださいね。

 

母はつい先ほど食べた食事のことを忘れて「ご飯を食べてない。お腹がすいた。」と言うようになりました。Aさんは「さっき食べたばかりだよ」と伝えましたが、母は「私は食べてないと言っているのに」と会話がかみ合いませんでした。

他にも母は夜中に起きて「仕事に遅れるよ」とAさんを起こしにきたり、タンスの中の衣類を出して「私の服がない、だれかに盗まれた」と言って落ち着かない…そんな姿を見て心配になったAさんは母を病院へ連れていくことにしました。かかりつけ医に日常の様子を相談したところ、精神科をすすめられ、その結果、母は認知症と診断されました。

ショックを受けたあなたには、母の治療法や介護認定を受けるかどうか、

認知症対応型介護施設を探すことなど様々言われましたが

頭に入ってきませんでした。

「どうしたら…母は本当に認知症なんですか」しぼりだした言葉でしたが、

Aさんは気が動転していました。

とりあえず薬での治療をすすめられ、認知症専門医を紹介してもらい、

受診の際にアドバイスをもらうことにしました。

 

先のことを考えて、介護施設を利用できるように、母は認定調査を受けることになります。

後日、母には 要介護1 が下りたのでした。

 

薬の治療は特に変化はなく、気になる行動は無くなりませんでした。

 

ある日、Aさんの携帯電話が鳴ります。

「お母さんを保護しています」と警察からの電話でした。

母は近所のスーパーで買い物をして帰り道が分からなくなり、自宅から3キロ離れた農園のビニールハウスに入っていたところを不審に思った人が通報したのでした。母の財布に入れておいた連絡カードを見て電話をくれた警察は、保護しているから迎えに来てほしいと言いました。農園までお母さんを迎えに行くと、「ごめんね、わたし悪いことしたんだね」と母は泣いていました。警察の方に事情を話すと「そうだったんですか。お母さんごめんね。大きな声だして悪かったね」「でも病気のお母さんを1人にしてたらダメでしょう」という言葉が返ってきました。泣いてる母を見て、警察から突き放された言葉が胸に刺さり、とても辛い気持ちになって帰りました。その日の仕事は休むことにして、母と一緒に家で過ごすことにしました。

 

自宅で他愛のない話をしていると、少しずつ母は落ち着いていきました。

すると、突然母は

「前の家に帰りたい」と言いました。

 

Aさんは何も答えることができず、無理やり新居へ招き入れたことを

後悔したのでした。

 

この状態の母を一人暮らしさせるべきなのか…

あなたなら、どうしますか?

 

Aさんの取り組みが知りたいという方は次の話を見てくださいね。